創薬プログラムの選択

創薬研究において、その最もはじめの段階となる標的分子の選択は、プログラムのその後の成否を決めるといってもいい重要なプロセスの一つです。従来の創薬は、がんやアルツハイマー病など疾患固有の情報から創薬標的を同定し、それらに対する研究を行ってきました。それに対し当社はまず、多様な疾患に重要な、生命の基礎となる生理学的パスウェイ(コアバイオロジー領域)を同定し、その中に含まれる標的群を、生物学のみならず化学・計算科学などの複数の視点から総合的に解析することにより、広く標的の選択を行っています。このことに加え、当社の創薬プラットフォームや専門性、提携先の技術などとのシナジーのある新たなアプローチをとりうる標的を優先して取り組んでいます。

コアバイオロジー領域

当社の研究チームは、これまでの製薬業界における経験やエキスパートとの協働を通して、様々なコアバイオロジー領域についての深い知見や実績を有しており、さらにその分野の最先端の研究に精通しています。当社は、創薬プラットフォームを利用しながら、これらのコアバイオロジー領域における新規の、もしくは検証済みの標的群の両方について幅広く解析を実施しています。このことが、革新的な治療薬候補の発見、その後の開発戦略とそれに続く的確な臨床へのトランスレーションを可能にしています。

現在、当社は、自然免疫、DNAダメージ修復を含む合成致死、転写・翻訳調節などを主たるコアバイオロジー領域として創薬プロジェクトを展開しています。これらの領域について、新規のアロステリックサイト調節薬やペプチドなどの新規のツールを用いるなど、独自のアプローチで迫っています。

これらの新規のアプローチをとりながら、当社は、がんと腫瘍免疫、慢性炎症や難治性希少疾患など、高い患者ニーズのある種々の臨床領域への展開に向けて、日々邁進しています。