創薬パイプライン

当社では、これまでに培われてきた経験と知見から、現在がん、免疫・炎症系疾患や希少疾患にフォーカスしています。

リードプログラム群は、好中球・マスト細胞・好酸球などに関連した自然免疫系の反応を調整する薬剤や、アロステリック阻害剤を含むがんのドライバーキナーゼに対する高度に特異的な阻害剤、合成致死を引き起こすDNA障害応答をつかさどる標的の阻害剤などを含みます。

なお、パイプラインの中で最も進んでいるプロジェクトは次の通りです。

MOD-A:非共有結合型カテプシンC阻害剤
好中球の過剰な活性化による組織破壊に関与する複数のプロテアーゼ群を制御するカテプシンCを標的とする非共有結合型化合物のプロジェクトです。すでに臨床候補化合物MDI-0151を同定しており、ANCA関連血管炎モデルなどの好中球性の炎症による疾患モデルでの薬効を確認しています。その作用機序から、血管炎以外にも、気管支拡張症・慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患、化膿性汗腺炎・掌蹠膿疱症などの皮膚疾患、炎症性腸疾患や全身性エリテマトーデスなど幅広い慢性疾患に有効と考えられます。

MOD-B:高度選択的KIT阻害剤
マスト細胞の活性化や生存を含む様々な機能に重要な働きをする膜受容体であるKITを、これまでにない非常に高い選択性をもって阻害する化合物のプロジェクトです。すでに臨床候補化合物MDI-0238を同定しており、アナフィラキシーや食物アレルギーなどの急性・慢性のマスト細胞関連疾患モデルでの薬効を確認しています。その作用機序から、上記疾患以外にも、慢性蕁麻疹、喘息、好酸球性食道炎などの幅広い急性および慢性疾患に有効と考えられます。

MOD-C:PARG阻害剤
DNAダメージ修復に関与するPARGを標的にした、抗がん剤のプロジェクトです。すでに臨床候補化合物MDI-0355を同定しており、特定の遺伝子プロファイルを有するがん細胞を用いた動物モデルにおいて単剤で薬効を示すことに加え、すでに臨床で使われている様々な化学療法剤や新たに開発されつつある一部の分子標的薬、また放射線治療などとの併用では、幅広いがん種への薬効を確認しています。

MOD-D:WDR5阻害剤
幅広いがん種で重要な役割をしている転写因子であるmycのシグナルに関与する転写複合体のscaffoldタンパクであるWDR5を標的とした抗がん剤のプロジェクトです。すでに自社リード化合物で特定の遺伝子プロファイルを有するがん細胞を用いた動物モデルにおいて、単剤で腫瘍縮小効果を認めており、臨床候補化合物発見に向けた最終段階にあります。

MOD-E:選択的DGKα阻害剤
がん免疫をつかさどる免疫細胞の一つであるT細胞の活性化のブレーキとして働いているDGKαを標的とした、がん免疫賦活剤のプロジェクトです。すでに自社リード化合物で、単剤での薬効に加え抗PD-1抗体との併用効果を動物モデルで確認しており、臨床候補化合物発見に向けた最終段階にあります。

ALVX-A:選択的PKMYT1阻害剤
がんの細胞周期をつかさどる分子の一つで、がん細胞に保護的に働いているPKMYT1を標的とした抗がん剤のプロジェクトです。すでに自社リード化合物で特定の遺伝子プロファイルを有するがん細胞を用いた動物モデルにおいて、単剤で腫瘍縮小効果を認めており、臨床候補化合物発見に向けた最終段階にあります。

その他:がん、免疫炎症疾患、希少疾患に対する早期プロジェクト群があり、その中には、ペプチドリームとの協働プログラムとして、アロステリック阻害剤発見をテーマとした複数のプログラムが含まれています。

パートナリング

当社のパイプラインの全てのプログラムの所有権は、当社が保有しており、皆様からのパートナリングやあらゆる協働の機会に関する問い合わせをお待ちしています。

また、当社では、数々のユニークな臨床候補化合物を生み出すことですでに実証された強力なプラットフォーム技術や、その他の様々な強みを生かした創薬協働も行っています。標的同定から臨床候補化合物の発見やプロファイリングまで、幅広い経験を有するアリヴェクシスとの協働をぜひご検討ください。

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