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ペプチドリームとモジュラスの戦略的創薬研究契約締結のお知らせ

ペプチドリーム株式会社(代表取締役社長:窪田 規一、本社:東京都目黒区、東証第一部、以下「ペプチドリーム」)とモジュラス株式会社(代表取締役:木村 俊、東京都千代田区、以下「モジュラス」)は、複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチドを創製し、そこから得られる情報をもとに低分子医薬品候補化合物の獲得を目指す戦略的創薬研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。

この戦略的提携は、両社が有する専門性を融合・最大化して、低分子医薬品候補化合物を研究開発することを目的としています。ペプチドリームは、独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を用いて、高付加価値の創薬標的タンパク質に対するヒットペプチドを取得し、さらに得られたヒットペプチドと創薬標的タンパク質との複合体結晶構造情報を提供します。モジュラスは、この情報をもとに最先端の計算技術を活用し、高速かつ効率的に低分子医薬品候補化合物のデザインを行います。本契約では、共同研究にかかる費用を両社で分担し、医薬品候補化合物の権利を共同所有することになります。

ペプチドリームは、2015年6月にファルマデザイン株式会社から創薬研究事業を譲受け、モデリング技術、インシリコドッキング技術及びバイオインフォマティクスの専門性を獲得しました。2016年2月には、高分解能結晶構造を得るために国立研究開発法人宇宙航空研究機発機構(JAXA)と高品質タンパク質の結晶生成実験の有償利用契約を締結し、2017年6月に協力関係を発展させた戦略的なパートナーシップ契約への移行を実現しました。

これらの機能拡充により、PDPSから得られるヒットペプチドを、①特殊環状ペプチド医薬品として最適化する、②ペプチド-薬物複合体:PDC(Peptide Drug Conjugate)として最適化する研究開発が極めて効率的になりました。並行して、ペプチドリームはヒットペプチドと創薬標的タンパク質との複合体結晶構造情報を利用し、③低分子医薬品をデザインする能力の拡充にも努めてきました。今回の戦略的提携は、③の機能を大幅に向上させるものと考えております。

モジュラスは、最先端の計算技術を駆使して迅速かつ効率的に低分子医薬品候補化合物を創出することを目指している革新的創薬ベンチャーです。モジュラスは、国内外の大手製薬企業や創薬計算技術のリーディングカンパニーであるSchrödinger社で創薬研究開発の経験が豊富な研究者集団で構成されており、独自の創薬標的タンパク質に対しての創薬研究を始めています。

ペプチドリームは、戦略的に3つの事業の最大化を行ってきました。1つ目は、創薬共同研究開発契約であり、現在大手製薬企業を中心に17社と創薬研究開発を行っています。2つ目は、PDPSの非独占的ライセンス許諾であり、現在5社にライセンスを行っています。3つ目は、世界中の特別な技術を有する創薬企業・バイオベンチャー企業と戦略的提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充を図っています。今回のモジュラスとの戦略的提携は、3つ目の事業拡大の一環であり、業界最高レベルのファーストインクラス*1(first-in-class)とベストインクラス*2(best-in-class)のパイプラインの大幅な拡充に寄与すると考えており、今後さらなる共同開発も含めた関係強化も検討しています。

*1 ファーストインクラス:特に新規性・有用性が高く、従来の治療体系を大幅に変えるような独創的医薬品のこと。
*2 ベストインクラス:既存薬に対して明確な優位性を持つ医薬品のこと。

【ペプチドリーム株式会社 常務取締役 リード・パトリック、取締役研究開発部長 舛屋 圭一のコメント】
「ファルマデザイン株式会社から創薬研究事業の譲受け及び国立研究開発法人宇宙航空研究機発機構(JAXA)との戦略的なパートナーシップ契約により、当社のPDPSから得られるヒットペプチドの最適化プロセスは格段に効率的になりました。革新的で有望なバイオベンチャーであるモジュラスとの提携により、低分子医薬品の創製が望まれているにも関わらず、従来の方法論では低分子ヒット化合物の同定が困難だった創薬標的タンパク質に対して、当社のPDPSでヒットペプチドを取得し、そこにモジュラスの最先端計算技術を組み合わせることで幅広い疾患領域において差別化された低分子化合物の設計が可能になり、医薬品開発において大きな価値を創出することを期待しています。」

【モジュラス株式会社 共同創業者・代表取締役 木村 俊のコメント】
「中分子創薬で世界をリードするペプチドリームとの戦略的創薬研究契約に興奮しています。両社の技術の強力な組み合わせは、高付加価値の創薬標的タンパク質に対する低分子医薬品候補化合物の取得を加速し、アンメットメディカルニーズを充足する画期的新薬を高速かつ効率的に創出することが可能になると考えています。また、ペプチドリームとモジュラスとの低分子創薬分野の戦略的パートナーシップの構築が両社の事業の成長を加速することを期待しております。」

【本リリースに関するお問い合わせ先】
ペプチドリーム株式会社 TEL:03-6262-6061
モジュラス株式会社 E-mail: info@modulus.jp TEL: 03-6868-4547

【ペプチドリーム株式会社について】
ペプチドリーム株式会社は、「日本発、世界初の新薬を創出し社会に貢献したい」という現社長窪田と現社外取締役菅(東京大学大学院教授)の共通の夢から、平成 18 年7 月に設立されました。独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を用いて、極めて広範囲にわたる特殊ペプチドを多数(数兆種類)合成し、高速な評価を可能にすることで、創薬において重要なヒット化合物の創製、リード化合物の選択、並びにファーマコフォアの理解を極めて簡便に、かつ、効率的に行えるようにしました。ペプチドリーム株式会社は、特殊ペプチドを用いた創薬企業の世界的なリーダーとして世界中の病気で苦しんでいる人々に画期的新薬を提供することを使命として、研究開発に取り組んでおります。

【モジュラス株式会社について】
モジュラスは最先端の計算技術を活用し、高速かつ効率的に低分子医薬品候補化合物を創出することを目指す創薬ベンチャーです。モジュラスは国内外の大手製薬会社やSchrödinger出身の経営陣を中心に、アドバイザーとして構造生物学、計算化学、人工知能分野の研究者、バイオベンチャー上場経験者が加わり、独自の創薬標的タンパク質に対して創薬研究に取り組んでおります。

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